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​Real vol.4

「日本人の感性を信じる」

​私たちは、多種多様な外国文化を

取り込んでいる

音楽も、ファッションも、

ライフスタイルでさえ、

私たちは海外の影響を

受けてきた。

それは悪いことではないし

素晴らしいことだ。

だけど、

真似事だけではもったいない。

私たちには、

私たちの表現の仕方がある。

日本人の感性は

私たちが思っている以上に

​素晴らしい。

日本ワインとスパイス「ブロディ」

​  代表 柏 雄司 

      

      ×

合同会社レッドクリエイト

 

 A.Ka代表 三井所 健太郎     

          

少量生産の良質な日本ワインを扱う「ブロディ」

生産者のワイナリーに直接足を運び、

現地現物を見極めることで「本物」のみを仕入れる。

厳選された日本ワインと食材、

そしてその「想い」に触れるために、連日多くのワイン通が訪れる。

 

​リアルな現場、伺いました。

​前編

後編

​前編

日本には、日本のやり方がある。

この度はお時間を頂き、有難うございます。

三井所

こちらこそ、わざわざお店までありがとうございます。

​柏

飲食業界の対談は実は初めて、なのですが1ヶ月ほど前に柏さんとお話しする機会をいただきました。

生み出しているモノと柏さんのこだわりに感銘を受けた為、改めて詳しく話を聞かせていただこうと思います。

三井所

よろしくお願いいたします。

まずは、こちらの店舗「ブロディ」では、どのような品を扱っているのでしょうか?

三井所

はい。

当店舗では日本ワイン、その中でも特に少量生産のものを扱ってます。

もちろん、日本ワインに合うスパイス系の料理も提供しております。

​柏

                                                                                                                                       

 

 

 

 

 

 

     

​ 

なぜ、日本ワインを扱おうと思ったのですか?

​三井所

そうですね。

もともと私は13年程前、イタリアやフレンチを扱うお店で働いていました。

その時に渋谷に立ち飲みバルのお店があったんですね。

お店が終わった後によく寄っていたんですが、そこに行くと必ず2、3銘柄、日本ワインがあったんです。

​柏

当時だととても珍しいですよね?

​三井所

はい。

そこで興味本位で飲んでみたら

とても美味しかったんです。

果実味を感じるにも関わらずキレもある。

そしてイタリア、フレンチのワインと違って、もたれるようなどっしり感もない。

 

ちょっと炙った刺身とか、味噌焼き、野菜の天ぷらなどにも合う。

日本の土壌で育ったブドウのワインってこんなにも日本人と相性がいいのか、と驚きました。

​柏

​すごくわかります。

​三井所

そこから、いろんなところで日本ワイン飲むようになっていくと、今度は

「このワイン作ってる人ってどんな人だろうな。」

と思うようになりました。

なるほど。

でも12、3年前って、美味しい日本ワインあったんですね?

​三井所

​はい、数は少ないですがありました。

私もですが、読者の方も

日本ワインというと、あの甘ったるい感じを想像されていると

思います、、、笑

​三井所

いや、ほんとにそうで、この前もお客さんからは

「日本ワインなんて甘い味しかなかったでしょ」

って言われたんですよ。

ですよね。

​三井所

ただ、全く違って13年も前から日本の土壌で日本の味を追求する

美味しい国産ワインがあったんです。

それに気づいてしまった。

​三井所

はい。

でも、私が13年前に日本ワインの美味しさに気づいた時点が早かったか、というとそうでもないと思います。

私が飲んで気づいたということは

その渋谷のバルのスタッフは、その美味しさに気づいて、その前から仕入れているわけですよね。

それも、当時は少量生産の日本ワインは一般店にはおいていませんでした。

日本酒の蔵元に行くのと同じ感覚で、ワイナリーにわざわざ足を運んでいたわけです。

​流通が発達してなかったんですね。

​三井所

はい。

今でも私たちが日本ワインを仕入れる時は生産者まで会いに行ってますね。

ココ・ファームさんを皮切りに、

山梨、長野、山形、新潟、広島、富山、熊本、大分、岡山、広島、富山、、、など、全国に生産者がいます。

そして、ゆくゆくはオーベルジュ(主に郊外にある宿泊設備を備えたレストラン)をやりたいので岡山の蒜山、軽井沢、能登なんかも。

現地に行きブドウを見て、土地を見て、ワイナリーを見て、生産者と話をしています。

日本のワイナリーって多いんですね。

山陰地方は意外でした。

​三井所

岡山もいいんですよ。

土壌が良いから、良いブドウが育ちます。

少し話は変わりますが、

今までイタリアやフランスでしか無理だと言われていたような、チーズや生ハムも日本で作られてきているんです。

そうなんですね。

それは、、北海道ですか?

​三井所

いえ、それが違うんです。

 

例えば日本で唯一のパルマハム職人が岐阜にいたりします。

BONDABONというブランドで生ハムを日本で作ってます。

それは面白い。

豚はパルマから仕入れてるんですか?

​三井所

いや、それも岐阜の豚を使ってるんです。

パルマハムの職人の称号があれば

海外で十分に活躍することも出来ます。

だけど、あえて日本の土壌で、日本の豚で、日本の生ハムを作るチャレンジをしたわけです。

 

今じゃ3つ星シェフが岐阜まで行ってハムを卸して欲しい。

と殺到しています。

日本ワインも同じです。

日本の土壌で、日本人の感性と勤勉さで真面目にやれば、美味しい国産ワインができるんじゃないかと。

​柏

BONDABONのような動きが出てきている。

​三井所

はい。様々なところから。

実際に私も柏さんの揃えている日本ワインを飲んだのですが、衝撃でした。

先ほど仰ったように、フルーティでありがながら、繊細でキレもあります。

海外ワインのずしっとした感じもないし、料理を引き立てます。

​三井所

はい、海外ワインとは全く違いますね。

この違いって何から生まれているんでしょうか?

​三井所

そうですね、土壌や素材もあるかと思いますが、、

 

「日本人が作ってるから。」

 

これが一番大きいと思ってます。

日本人が作ってるから?

​三井所

はい。

日本人は勤勉で、繊細です。

その日本人がワインを作るにあたって、土壌の管理、ブドウ生産、収穫、醸造の全行程に至るまで携わっています。

その一つ一つの細部に日本人の丁寧な仕事や感性が伝わることが、結果的に味に表れていると思います。

日本人だからこそ、ということですね。

​三井所

もちろん、海外で学ぶ風土はいまでもあります。

 

しかし基礎を日本で学んだ上で、

例えばフランスのワイナリーの修行で何を学んで帰るかというと

「わざわざ無理にフランスのマネをしなくて良いんだ」

ということなんです。

​興味深いです。

​三井所

日本人は、様々な海外の文化を取り入れてます。

それは素晴らしいことなんですが、やはり私たちのDNAは日本なんです。

どこかでやっぱり白飯と味噌汁と漬物を求めている。

日本のDNAに合うワインの表現があると。

​三井所

はい。

日本ワインが海外ワインの真似事だけをしていたら、この味は出せません。

パルマハム職人が日本に帰ってきた理由もそこです。

パルマの生ハムを作るなら、パルマで作ったほうが効率的。

職人免許もあれば充分に活躍できる。

でもあえて日本でやると決めたのは、パルマで得た知識や技術を織り交ぜつつも、「日本の豚で日本の生ハムを作りたい」という想いがあったからなんです。

なるほど。

​三井所

私もイタリアの塩を料理で使うことがあります。

でも素材が日本の魚だったら、日本の海で育てるわけですから、日本の塩がいいに決まっているんです。

当たり前のはずなんだけど、

私たちはどこかで海外至上主義のような感覚を受け入れてしまってますよね。

​三井所

はい、ワインは今まで特にその傾向が強かったと思います。

ビールやウィスキーなんかは日

本ブランドが馴染んでいます。

なぜなんでしょうね。

​三井所

大衆文化に馴染むスピードの違いですね。

海外のビール、ウィスキーってどちらかというと

日本でも昔から大衆に入り込んでいた。

だから、日本ブランドへの着手が早かったんだと思います。

なるほど

​三井所

一方、一昔前の日本では海外ワインは高級な家の棚に

飾ってあるようなものでした。

 

気軽に飲むものでもなかったし、情報も入らなかった。

 

よくわからないけど、高価なものだから、先入観でこれがワインだと決めつけてしまったんだと思います。

あー確かに。

私の実家にも飾ってありました、ホコリ被って笑

 

でも今では安く買える時代になりましたね。

​三井所

はい、今は味の悪くない海外ワインでも、1000円で手に入るし、情報もネットで簡単に収集できます。

なるほど。

日本人が、ワインに気軽に触れ、

「これを日本の食材や土壌で表現したらどうなるのか」と考え始めたんですね。

​三井所

はい。

今は海外のワインを、日本人の感性で、日本の文化に落とし込んでいる段階です。

これは時間はかかるかもしれませんが、日本人、特に今の若い人たちは対応力があります

 

様々な外国の文化に積極的に触れるし、だからと言って、今までの価値観に縛れない感性を持っている。

そこに日本人特有の勤勉さ、繊細さが融合すれば、もっと美味しくて、安全で、良いものができると確信しています。

今聞いていると、確かにラーメンもカレーも同じですね。

​三井所

そうなんです。

日本が海外文化を取り入れて、感性と努力で日本の味を作り、今度は海外に自分たちのラーメンを表現している。

​三井所

その流れと一緒だと思います。

今、日本ワインはオリジナリティを出すのがやっとですが、

技術的にも精神的にも環境的にも、生産ができる体制ができつつあります。

 

美味しい日本ワインが増えれば、

 

そこから作りたいという人が増えて、さらに美味しいワインが日本各地で生まれる。

 

そして、さらに国産ワインが身近になる。

 

良い循環になればいいと思っています。

​三井所

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